2007年10月24日

「温暖化が種の絶滅を招く」、英研究チームが報告

2007年10月24日 12:28 
- AFP BB News

【10月24日 AFP】地球温暖化と過去5億年間に発生した種の大量絶滅との関連性を示す研究結果が、24日発行の英国の生物学専門誌『英国王立協会紀要(Proceedings of The Royal Society B)』上に掲載された。

研究を行ったのは英国イングランド北部のリーズ大学(University of Leeds)のティモシー・ベントン(Timothy Benton)氏ら3人。化石内に含まれる酸素濃度や化石の酸性度から、「地球温暖化」期と「地球寒冷化」期が繰り返された現在までの約5億年間にわたる海面温度の変動を推定した。

次にこれを、同様に化石を検証して得られた動植物種の数の変化データと突き合わせた。その結果、海草類の47%、地上の脊椎動物の18%が絶滅していることがわかった。

なかでも、最も激しい種の絶滅がみられたのがペルム紀(2億9000万年-2億5000万年前)で、地上の植物、虫類、脊椎動物の70%が絶滅し、全ての種を合わせると95%が絶滅したという。

同研究は、温暖化周期と新種の登場との関連性も明らかにした。「温暖化期」と「寒冷化期」の間の時期には、動植物の新種数が倍増しているという。

研究を主導したベントン氏らは、計量的研究により地球温暖化と化石にみられる変化との関連性が初めて明確に示されたものと位置づけ、温室効果ガスの増加を野放しにすれば、数百年後に地球の気温は、再び氷河期と同様に急降下する恐れがあると警告する。一方で、ベントン氏らは、この研究結果を短期間の変動予測に応用するのは難しいとしている。(c)AFP

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イリオモテヤマネコの事故死が訴えるもの

2007年10月24日 8:19:21
- NIKKEI NET

山根一眞(やまね・かずま)1947年生まれ。獨協大外国語学部卒。ITや環境分野などで取材執筆活動。15回以上訪問したアマゾン体験をきっかけに、野生生物から文明を見直す活動にも力を入れている。中教審専門委員、日本生態系協会理事など幅広く活躍


今年のノーベル平和賞に、地球温暖化の調査研究と将来を予測を続けてきた国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)と、環境問題の啓発に貢献したアル・ゴア前米副大統領が決まった。ノーベル賞には「環境賞」がないため、人類の安全と継続的な生存に貢献、という意味から「平和賞」としたのだと私は受け止めている。

地球温暖化は激しい気候変動をもたらし、年間100兆円規模の経済的損失が続くという試算も出たが、それは同時に地球上の多くの野生生物を絶滅させるという損失もともなう。IPCCが今年の「第4次評価報告書」で、気温上昇が続けば2050年代には30%の生物種が絶滅すると言及したことは記憶に新しい。温暖化防止と「生物多様性」の維持は、私たちが直面している最大の課題の両輪なのである。


イリオモテヤマネコ、絶滅の危機高まる

だが「生物多様性」への世の中の関心は低い。ノーベル平和賞の発表があった10月12日、日本の最南西端地域、台湾まで100kmあまりの沖縄県の西表島で、その「生物多様性」に関する事件が発生したが、それを伝えた全国メディアはなかった。16日になって地元の『八重山毎日新聞』がやっと伝えたのみだ。

同紙によれば、この日の午後7時40分頃、西表島には1本しかない県道、白浜南風見(はえみだ)線を走行中の自動車が、東部地区の古見集落に近い相良橋付近で、イリオモテヤマネコのメスの成獣をはね、死亡させた。相良橋は相良川の河口に架かる橋で、この川沿いではイリオモテヤマネコの生息が多く観察されている。私は、今年の3月にイリオモテヤマネコ研究者とともにこの川を遡ったただけに、事故死のニュースには胸が痛んだ。

イリオモテヤマネコは絶滅に瀕する哺乳動物だ。「絶滅危険度」は3種あり、危険度が高い順に、絶滅危惧IA類、絶滅危惧IB類、絶滅危惧II類に分類される。最も絶滅危険度が高い絶滅危惧IA類のツシマヤマネコに対してイリオモテヤマネコは長いこと第2ランク(IB類)だった。だが、環境省はその位置づけを見直し、8月3日、イリオモテヤマネコをIA類に「格上げ」したばかりだった。(参考:8月に発表された哺乳類などの新たな「レッドデータリスト」)

西表島の面積は約289平方km。東京の地図と重ねてみると、長辺が東京湾岸のお台場から東名横浜インターにおよぶスケールであることがわかる。ここに約100頭のイリオモテヤマネコが生息。きわめて数が少ないことが理解できる。

ツシマヤマネコが生息する対馬は私有林が多いため開発が進み、生存圏が著しく脅かされている。また飼い猫からの「ネコエイズ」の感染もあり、人為的な繁殖も活発に導入されてきた。繁殖個体を東京などの動物園で分散飼育するようになったのは、何らかの感染によって、一気に種が滅ぶ危険を回避する緊急措置を取り始めたからだろう。 

一方、イリオモテヤマネコが生息する西表島は国有林が多いため、何とか生息数が維持されていると考えられてきた。だが3月に西表島を訪問した際、「これまで生息が確認されていたが姿が消えた場所が増えている」と聞かされた。イリオモテヤマネコが日本の哺乳動物で最も絶滅の危険度が高い15種に組み入れられたのは、そういう調査結果に基づいているのだと思う。

もっともこの15種には、ニホンカワウソ(本州以南亜種と北海道亜種の2種)、ラッコ、ニホンアシカなど、すでに観察されなくなって30年以上を経過し、ほぼ「絶滅」とされている動物も目立つ。哺乳類ではすでにオキナワオオコウモリ、オガサワラアブラコウモリ、エゾオオカミ、そしてニホンオオカミの4種が絶滅しているが、イリオモテヤマネコがその4種の仲間に「格上げ」される日は確実に迫っていると思えてならない。

 
生物多様性の象徴としての西表島

西表島は、島の90%が豊かな亜熱帯林に包まれ「日本のアマゾン」「東洋のガラパゴス」と呼ばれるほど自然が豊かだ。1965年に「発見」され新種とされたイリオモテヤマネコだが、20世紀も半ばまでこれほど大型の哺乳類が記録されていなかったのは20世紀の動物学上の奇跡とも言われた。それほど、西表島は森が深く動物相が濃い。

私は、30年以上にわたりアマゾン通いを続けてきたが、90年代初頭に初めて西表島を取材で訪れて、アマゾンを上回る生物の密度の濃さに圧倒された。この島ならではの昆虫、は虫類、両生類、魚類、鳥類などが多彩な植物とともに見事な、原始のままの「生命の輪」を作っている。

イリオモテヤマネコの研究者でもあった琉球大学の池原貞夫元学長(2007年4月14日没)は、「西表島は、島全体が一つの生命体なんです。その一部でも壊せば島の全生命は滅びに向かいます」と語っていた。「生物多様性」とは、まさにこのことなのだ。

多種多様な生物が支え合い、関連し合っていてこそ、生存を続けられる。人もその一部を構成しており、「生物多様性」を失えば、私たち人類も滅亡する。高度な文明を手にした人類といえども、生命維持のための「食糧」は「生物」だけだという事実は、生物多様性の重要性を説明する大きな根拠になる。

私が90年代以降、イリオモテヤマネコをテーマとしたノンフィクションを書き続け、今も西表島訪問を続けているのは、これほど「生物多様性」の生の姿を見せてくれる場所がほかにはないからだ。西表島に人が住むようになってから700年以上の歴史があるが、彼らはこの島の「神様=自然力」を敬い、また自然からもらえる範囲内での恵みを得て暮らしてきた。そういうエキゾチックで壮大、神秘に満ちた伝統文化も根づいている。人が、「生物多様性」を維持しながら生きていくしかないということを教えてくれるのも、西表島だ。

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2007年10月21日

北極の氷を徒歩で測定、温暖化の影響調査へ 英探検家ら

2007.10.21
Web posted at: 19:24 JST
- AP

ロンドン(AP) 
米アラスカ州の北端から北極点まで、約2000キロの道のりを歩きながら氷や雪の厚さを測り、地球温暖化の影響などを調べるプロジェクトに、英探検家ら3人のグループが取り組むことになった。来年2月から6月の間に、100‐120日かけて実施するという。

探検家のペン・ハドー氏がこのほど発表した計画によると、一行はレーダー検知器をそりに積んで、アラスカのバロー岬から北極点へ向かう。検知器は約20センチごとに、その地点の氷と雪の厚さや密度を計測。計1000万回分のデータが収集されることになる。データは米カリフォルニア州の海軍大学院で解析される予定だ。

北極圏では今夏、海氷の面積が観測史上最小を記録。カナダの北極海沿岸では、氷に閉ざされていた北西航路が航行可能となった。地球温暖化の影響で氷が急速に解けているとみられ、2050年の夏には海氷が完全に消滅するとの説もある。ハドー氏らは、氷の現状を詳しく調べることによって、より正確な予想値の算出を目指す。

北極周辺の氷については、すでに潜水艦や衛星などが観測を繰り返している。だが専門家らによると、衛星からは氷と雪の区別がつきにくいなどの難点があり、「地上での計測がベスト」との見方は変わっていない。

約40年前には、英国の極地探検家、ウォリー・ハーバート氏が、今回と同様のルートをたどる測量探検を実施した。ハドー氏らは当時のデータを現状と照らし合わせ、変化の様子を分析する計画だ。

一行はまた、胸や腹の部分に生体センサーを織り込んだ「ライフシャツ」を着用する予定。探検中の心拍数や呼吸、体温などのデータが、逐次基地に送信されるという。
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2007年10月20日

皇后さま きょう73歳 温暖化に言及『緊急課題と感じる』

2007年10月20日 12:28:30
- 東京新聞

皇后さまは二十日、七十三歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち、宮内記者会の質問に文書で回答。

この一年に起きたことで特に印象に残ったこととして、三月の能登半島地震、暴風雨や暑かった夏などを挙げ「地球上におこる様々な異常な現象と関連し、地球温暖化が、取り組むべき緊急な課題となって来ていることを感じます」と思いを述べた。

来春に小学校へ入学する皇太子ご夫妻の長女愛子さまや、一歳になった秋篠宮ご夫妻の長男悠仁さまらの成長ぶりについては「小さな愛子が、自分より更に小さい悠仁の傍(かたわら)でそっと手にさわっていたりする姿を、本当に好もしく可愛(かわい)く思います」と交流の様子を紹介。

散歩の折にジュズダマの茂みを見つけ、陛下と少し実を採ったという皇后さま。「毎年集めると、いつか針の持てるようになった愛子と、首飾りを作って遊べるかもしれません」「幼い人たちとの交わりは楽しく、これからも互いに時を見つけ、会う機会を作っていかれれば嬉(うれ)しい」と、今後の楽しみを語った。

どのような時に皇太子妃雅子さまの回復ぶりを実感するか、との問いには「せっかく快方に向かっていると思われる今は、ただ、妃の快復を祈り、見守り支えていきたい」とした。

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2007年10月19日

知られざる洞窟の生物たち─地球温暖化の影響はここにも

2007年10月19日 10:33:47
- NB online

暗く閉ざされた洞窟にうごめく生き物たち。「真洞窟性動物」と呼ばれる彼らは、生き埋めさながらの環境に適応し、闇の中で生まれて、生きて、死んでいく。

ヤスデ、クモ、盲目のサンショウウオ、目をもたない魚たち――さまざまな生物種が、永遠の闇とぎりぎりの餌、有毒ガス、果てしない岩の迷宮といった過酷な状況のもとで、動きまわり、伴侶を見つけ、獲物を狩る能力を身につけて、たくましく生きている。

多彩な進化を遂げ、さまざまな洞窟生物が存在するが、圧倒的に多いのは小型の動物だ。岩の割れ目に挟まった生物の死骸、天井のひび割れに伸びた植物の根などをとるにも小さい方が有利だからだ。

隔絶された洞窟でそれぞれ独自の進化を遂げ、外へ出ることもままならないために、単一の洞窟や、さらにはその一画に、ごく少数しか生息していない希少な種も珍しくない。洞窟の生物たちは、謎に満ちた存在だ。

世界の洞窟のおよそ9割は、入り口が分かりづらいせいで未発見だと考えられている。たとえ調査ずみの洞窟でも、身を潜めるのが得意な洞窟生物たちを見つけるのは容易でない。これまでに約7700種が確認されているが、この数字は氷山の一角に過ぎないだろう。

行きどまりになった洞窟の奥は空気がよどみ、酸素も乏しい。そんな環境で、ときには何カ月も餌がなくても生きぬくために、洞窟生物の多くは代謝のペースがきわめて遅い。スローライフなだけに寿命は長く、米国アラバマ州のシェルタ洞窟にすむアメリカザリガニの一種(Orconectes australis)は、100歳で子を産み、寿命は175歳に及ぶともいう。

やたらに長い、あるいは数の多い脚をもち、その先端が鋭くとがっている生物も多い。土砂やがれきを乗り越え、じめじめした岩壁にしがみつけるように適応した結果だ。

逆に、紫外線から身を守る体色素や必要のない目は失われ、なかには目を失った空きスペースに脂肪を蓄えるものまでいる。視力がなくても、繊細な付属肢と強力な神経中枢で、気圧や温度、音やにおいのかすかな変化もとらえる。

独自の生態系を確立している洞窟の生物たちだが、残念ながら、その未来はバラ色とは言いがたい。米国で絶滅危惧もしくは準絶滅危惧の状態にあるとみられる真洞窟性動物は41種にとどまっているが、自然保護団体「ザ・ネイチャー・コンサーバンシー」の調べでは、米国内で確認されている1000種の真洞窟性動物の95%が危機に瀕しているという。

posted by sc at 10:33| 温暖化ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月17日

地球温暖化 今世紀末、最悪6.4℃上昇 IPCCが統合報告書案

2007年10月17日 22:38:35
- 東京新聞

地球温暖化影響を科学、社会両面から分析する国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第四次評価報告書の統合報告書案が十七日、明らかになった。温暖化が起きていることを断定し、その原因は人間の活動によるもので、エネルギーとして石油、石炭などを今後も重視すれば、今世紀末の平均気温上昇は最悪で六・四度になるとしている。十一月十七日、スペイン・バレンシアで開かれるIPCCの総会で採択される。

報告書案では、世界の平均気温が過去百年間に〇・七四度上昇し、特にこの五十年間は百年前の二倍のペースで温暖化が進んでいると分析。あらゆる手段を講じても、二〇三〇年までは十年に〇・二度の割合で気温が上昇するとしている。

この結果、台風やハリケーンなどが強まり、北極海の夏の海氷は今世紀末までにほぼ完全に消滅すると予測。海水が二酸化炭素(CO2)の影響で酸性化し、大気中のCO2を十分取り込めなくなるため、大気中の濃度がさらに高くなる−という悪循環が生じることを懸念している。

二〇八〇年代までに海面上昇が原因の洪水に見舞われる人々がアジア、アフリカの低地帯を中心に数百万人増加。南太平洋などの島しょ国は特に危機にあるとしている。

報告書案は、地球の平均気温を二−二・四度の上昇で安定させるには、二〇五〇年に、二〇〇〇年比で85−50%のCO2を削減する必要があり、風力、太陽光などの再生可能エネルギーの積極的導入やエネルギー使用の効率化が重要としている。

統合報告書は、温暖化現象の「科学的根拠」「影響、適応、ぜい弱性」「気候変動の緩和策」の三つの作業部会の報告書をまとめ最終的に精査した文書。採択後、十二月にインドネシアで開かれる国連気候変動枠組み条約第十三回締約国会議(COP13)で報告され、ポスト京都議定書をめぐる議論の基礎資料とされる。
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兵馬俑にマスク 英国人活動家が中国に抗議

2007年10月17日06時05分
- asahi.com

ロンドンの大英博物館で展示中の古代中国・秦時代の兵馬俑(へいばよう)2体に14日、環境活動家を名乗るマーティン・ワイネス氏(49)が「中国は地球温暖化の対策を取っていない」と抗議してマスクをかぶせた、ワイネス氏提供。警備員に取り押さえられ、博物館から「一生出入り禁止」を言い渡された。兵馬俑は無傷だった。

ワイネス氏は長女(14)と博物館を訪れ、さくを乗り越えて「中国は世界最大の二酸化炭素排出国」などと書いたマスクを兵馬俑に取り付けた。朝日新聞の取材に、「兵馬俑を傷つけるつもりはない。娘2人の未来を考え、地球温暖化対策を取るよう圧力をかけたかった」と語った。
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2007年10月16日

ゴア氏に平和賞 地球の非常事態宣言だ

2007/10/16 09:12
- さきがけon The Web

地球が非常事態を迎え、対策は待ったなしだ。そんなメッセージなのだろう。ことしのノーベル平和賞が、地球温暖化に取り組む個人と団体に授与されることになった。

温暖化と平和賞。一見奇異な感じがしないでもない。しかし、大規模な気候変動が資源争奪戦を引き起こし、紛争や戦争の危険性を増大させるとすれば、十分授賞に値する。

地球温暖化に対する危機感は随分広がってきた。半面、防止対策はまだ全く不十分と言わざるを得ない。道は遠いにしろ、あらためて意識を高め、地球の未来を守る契機としたい。

「不都合な真実」は多くの人々に共感をもって迎えられた。本や映画が一種ブームの様相を呈した。それを巻き起こしたのが今回平和賞に決まったアル・ゴア前米副大統領である。

ゴア氏は2000年の米大統領選で現在のブッシュ大統領に小差で敗退。しかし、すぐに目標を定め直し、エネルギッシュに動きだしたところが傑出した人物たるゆえんだろう。

温暖化の脅威と対応策を訴える活動を地道に展開。こなした講演は1000回を超える。授賞理由にあるように「世界中に対策の必要性を理解させる努力を最も行った人物」といえる。

ゴア氏を車の両輪の片方とするなら、もう一方は世界の専門家で構成する「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC、事務局ジュネーブ)だ。平和賞を共同受賞した。

設立は1988年とそんなに古くはない。しかし、世界の英知が集まっているといってよく、56年ごとにまとめる評価報告書は温暖化対策の議論に多大な影響を与えている。

ことし発表した第4次評価報告書は「人間活動が温暖化をもたらしていることは疑いがない」と指摘。長らく続いていた懐疑論争を決着させ、対策の必要性を科学的に後押しした。

温暖化がもたらす脅威や危機には、日本をはじめ世界の共通理解が徐々に得られてきた。では肝心の対策はどうかというと、まだ牛歩のようにのろく、心もとない限りである。

例えば日本を含む先進国は1997年、京都議定書を採択。2008年から5年間で5%ほどの温室効果ガス削減を義務付けた。しかし、最大排出国の米国は01年に離脱したのだ。

その点、今回の平和賞決定が、温暖化防止対策に消極的なブッシュ政権にとって痛打となるのは間違いない。ゴア氏の草の根的な活動によって米国市民の関心も相当高まった。

平和賞受賞は恐らくこれにとどまらないインパクトを秘める。各国の温暖化対策はもちろん、現在進行中の温暖化交渉を少しずつではあれ、着実に推し進める可能性もあるのだ。

当面の焦点は12月にインドネシアで開かれる気候変動枠組み条約締約国会議だ。京都議定書後の「ポスト京都」の本格交渉入りを決められるかどうかがポイントだからである。

「不都合な真実」から目をそらす猶予はもはや失われた。地球を生かすも殺すもわれわれ人間次第なのだ。ことしのノーベル平和賞が問いかける意味はどこまでも重い。
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2007年10月15日

温暖化問題の緊急性示す 対応迫られる国際社会

2007年10月15日 11:30
- U.S.FrontLine

ゴア前米副大統領と気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のノーベル平和賞受賞決定は、化石燃料の消費など人間活動によって排出される温室効果ガスがもたらす地球温暖化が、現代社会が直面する緊急かつ最重要の問題であることを端的に示した。

授賞は、先進国に排出削減を義務付けた京都議定書に定めのない2013年以降の国際枠組み「ポスト京都」の交渉前進を促すメッセージと言える。世界最大の同ガス排出国だが対策に消極的な米国のブッシュ政権をはじめ、国際社会は早急な対応を迫られている。

IPCCは今年発表した第四次評価報告書で「人間活動が温暖化をもたらしていることは疑いがない」と指摘。「温暖化は飢饉(ききん)や水不足を招き、紛争や難民を増やすなど国家安全保障に直結する」との警告が研究機関などから相次ぎ、4月には国連安全保障理事会で初めて温暖化問題が取り上げられることになった。(共同)
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2007年10月13日

ゴア氏にノーベル平和賞 地球温暖化の危機訴え

2007年10月13日 1:57:43
- 中国新聞ニュース

【ロンドン12日共同=石井雅仁】
ノルウェーのノーベル賞委員会は十二日、映画「不都合な真実」などを通じて地球温暖化の危機を訴えてきたアル・ゴア前米副大統領(59)と、温暖化問題の影響や対応策について報告する国際組織「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC、事務局ジュネーブ)の双方に二○○七年のノーベル平和賞を授与すると発表した。

授賞理由について「人間の活動に起因する気候変動への知識を広め、必要な対応策への基礎を築くよう努めた」と説明。また、大規模な気候変動は資源の争奪戦を起こし「紛争や戦争に発展する恐れがある」と警告、温暖化問題を最大限深刻に受け止め「今、行動することが必要」と訴えた。

温暖化防止対策に消極的なブッシュ米政権への痛烈な打撃で、温室効果ガスの排出削減に関して京都議定書後の枠組みづくりを急ぐよう国際社会に迫ったといえる。

環境分野からの受賞は○四年のケニアのマータイさん以来。

ゴア氏は「非常に光栄だ。賞金は全額寄付する」との声明を発表した。

ゴア氏は一九四八年、ワシントン生まれ。民主党の上院議員などを経て九三年から二○○一年までクリントン政権の副大統領を務めた。二○○○年の大統領選では共和党のブッシュ候補(現大統領)に小差で敗れた。

その後、温暖化防止の重要性を訴えて精力的に講演活動を展開。講演の様子などをまとめた「不都合な真実」(○六年)は、今年の米アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した。

また、IPCCは一九八八年、世界気象機関と国連環境計画が設立。議長は現在、インドのパチャウリ氏。報告書は気候変動枠組み条約の交渉に大きな影響を与え、九七年には温室効果ガスの排出削減を先進国に義務付けた京都議定書が採択された。

今年五月までに各作業部会が承認した第四次評価報告書では、今世紀末の気温は九○年比で最大六・四度上昇の可能性があるなどと報告し大きな注目を集めた。

授賞式は十二月十日にオスロで行われ、賞金は一千万スウェーデン・クローナ(約一億八千万円)。
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